ISO内部監査(力量向上編)
力量とは何か?
ISO9000:2005によれば、力量は下記のように定義されています。
3.1.6
力量(competence)
知識及び技能を適用するための実証された能力。
注記 この規格では、力量の概念を一般的な意味で定義している。
他の規格では、この用語の使い方がより固有なものとなり得る。
力量とは、一般的には、”能力があること”、”能力の程度”を意味します。
しかしISOの定義によれば、力量とは単に能力を意味するだけではなく、実証可能でなければなりません。実証可能とは、実際に能力の根拠を示して納得してもらえることです。
例として、英会話の力量を考えてみましょう。
ある人が次の状況の場合、ISOの定義による力量の適切な例はどれでしょうか?
1. アメリカに3年間暮らしていた。
2. 英会話教室に長く通っていた。
3. 英語検定1級の資格がある。
4. 通訳ができる。
正解は「4. 通訳ができる」です。その人に通訳をやってもらえば、英会話の力量は確認できます。
通訳ができれば力量はあります。できなければ力量はありません。
これが実証可能の意味です。このように力量は、「○○○ができる」という表現にできます。
「2. アメリカで3年暮らしていた」、「3. 英会話教室に長く通っている」、
「4. 英語検定1級の資格がある」は、英会話に関しての知識、技能、経験があることは確かでしょう。
しかし、これらの知識、技能、経験をうまく使えるか(適用できるか)は別の話です。
あなたに中途採用の面接経験があれば、力量の定義を理解するのは容易でしょう。
面接者が、面接で確認するのはつねに応募者の力量です。知識や技能は面接前の応募条件です。
あなたは応募者が自分の知識や技能を自社で役立ててくれるかを確認しているはずです。
その確認すべき内容が力量なのです。
| ISO内部監査(力量向上編) | 監査員の力量とは?>> |